Web APIは以前までWebプログラミングをする人以外にとって縁遠い存在でしたが、WordPressのプラグイン経由で触れる機会があるのではないでしょうか?
Product Advertising API (以下 PA-API)は、Amazonの商品情報を提供してくれる便利な公式APIです。
Amazonの公式プラグインである「Amazon Associates Link Builder」や「Rinker(リンカー)」で商品を検索、商品情報を抽出する際に必要になります。
今回はPA-APIを利用するまでの登録方法と注意点などを紹介します。
PA-APIの登録方法
PA-APIを利用するにはまずAmazonアソシエイト・プログラムに参加する必要があります。
Amazonアソシエイト・プログラムに参加する方法は割愛しますが、利用にはブログやウェブサイトが必要で審査に通らないと利用できません。
説明ページでは簡単に登録できるようになっていますが、記事数が少なかったりサイトの内容によってはなかなか審査に通らないようなのでご注意ください。
step
1
Amazonアソシエイトにログイン。メニューの[ツール]-[Product Advertising API]を選択。
step
2
「Product Advertising API の利用をはじめるには〜」の下にある利用をはじめるをクリック。
step
3
「認証情報のダウンロード」という画面でアクセスキーとシークレットキーが表示されます。
これらの情報は今後確認できなくなりますので、認証情報をダウンロードというところから保存しておきます。
Amazon Associates Link Builderでの使い方
Amazon Associates Link Builder プラグインインストール、有効化をしたら左のメニューにAmazon Associates Link Builderが表示されます。
Settingを開きTrancking Idという項目にトラッキングID(XXX-22)を入力。
PA API Credentialsという項目にAccess Key IDに先程発行したアクセスキー。
Secret Access Keyにシークレットキーを入力してSave Changesをクリックして保存完了です。
Rinkerでの使い方
[設定] - [Rinker設定]の基本設定にAmazonのAPI、トラッキングIDを入力するフォームがあります。
アクセスキーIDに先程発行したアクセスキー。シークレットキーにシークレットキーを入力。
トラッキングID(xxx-22)を入力、変更を保存をクリックして保存完了です。
PA-APIが使えなくなる?
2019年01月16日2019年01月23日にProduct Advertising API (PA-API)利用ポリシーの変更があります。
内容は以下の通り。
- 初期リクエスト可能数 : 1日あたり 8,640リクエスト(API利用開始より60日間)
- PA-APIより取得した商品リンクより発生した、過去30日間の発送済み商品売上$0.05(日本円で約5円)ごとに1リクエスト追加
- 1日の最大リクエスト可能数は、1日あたり864,000リクエスト
参考[重要] Product Advertising API 利用ポリシーの変更について
初期リクエスト可能数 : 1日あたり 8,640リクエスト(API利用開始より60日間)
2018年12月現在、PA-APIへの利用可能な回数は1秒に1リクエスト。
1日86,400回が上限でしたが1日あたり8,640リクエストまでに減ります。
API利用開始60日間はこの回数までしか使えません。
大量の商品リンクを取り扱わないのであれば影響は少ないように見えますが、徐々に厳しくなってきそうな予感がします。
PA-APIより取得した商品リンクより発生した、過去30日間の発送済み商品売上$0.05(日本円で約5円)ごとに1リクエスト追加
API利用開始より61日目以降は、PA-API経由の過去30日の売上金額に応じてリクエスト可能な回数が増加します。
例えば、PA-API経由の売上金額が1万円だった場合(5円で計算)は
リクエスト回数計算例
過去30日の売上金額で計算されるので毎日、PA-APIにリクエストできる回数は変わります。
1日の最大リクエスト可能数は、1日あたり864,000リクエスト
成果に応じてリクエスト可能数は増加し、上限は864,000回。
しかし5円で計算すると400万円以上商品売上がないとそこまでの回数は使えないです。
紹介料ではなく商品売上と記載されているので敷居は少し下がります。
発送済み商品売上が過去30日以内に発生していない場合、PA-APIをご利用いただけなくなる恐れが
今回のポリシー変更で、一番問題なのがこちら。
PA-APIより取得した商品リンク経由の売上が過去30日間なければ、PA-APIを使えなくなるとのことです。
また、PA-APIより取得した商品リンク経由の発送済み商品売上が過去30日以内に発生していない場合、PA-APIをご利用いただけなくなる恐れがございます。
なお Amazon Link Builder(WordPressプラグイン)のご利用には影響はございません。
参考[重要] Product Advertising API 利用ポリシーの変更について
PA-APIを利用するプラグインを使っていて、もしもアフィリエイト経由でAmazonのリンクを使っている方は注意する必要があります。
PA-APIの売上にもしもの売上はカウントされないため、今後も使用するにはAmazonリンクに変更するしか無さそうな感じ。
PA-APIの売上があるか確認する方法
PA-APIの売上があるかどうかを確認するのは、まずAmazonアソシエイトにログイン。
メニューの[レポート]を選択。
期間を過去30日にして、リンクタイプレポートを表示。リンクタイプ「PA-API」で売上が上がっていればPA-APIは引き続き使えます。
利用可能カウント数をチェックする場合は「レポートをダウンロードする」で売上レポートとリンクタイプレポートにチェックが入っている状態でレポートを作成、ダウンロード。
ダウンロードしたExcelのPA-APIセルの合計売上金額÷5でだいたいの回数は把握できるでしょう。
PA-APIが使えなくなるということはどういうことか?
カエレバの影響
カエレバ開発者のかんきちさんもツイートしている通り、既に貼り付けているタグは特に影響はありません。
#カエレバ の件、どんだけ炎上するかとビビってましたが、前向きのコメントが多くて、ほっとしています。
過去に生成したリンクも、現時点で作ったリンクも、今後も利用できるのでご心配なく。生成したリンクは静的HTMLなので、PA-APIの制限とは無関係です。大きな変更がない限り、ずっと利用できます
— かん吉 (@kankichi) 2018年12月28日
カエレバの商品リンクを作成するときに、商品情報を抽出するのをPA-API(Amazon)から楽天APIに移行されます。
これはどのような影響があるかというと、Amazonにしか販売されていない商品(Amazonデバイス(Kindle、Echo、Fire)、Kindle本)は検索をしても出てこないためタグを生成できなくなります。
しかし、これらの商品を紹介できなくなるわけではなくてAmazonのリンクを直接貼るか、もしもアフィリエイトを利用している場合は「どこでもリンク」を利用すれば良いことなので面倒にはなりますがなんとかなります。
Rinker(リンカー)の影響
Rinker(リンカー)も商品リンクを作成するときにPA-APIを利用しています。
こちらは30日以内にPA-API経由の売上が無いと、PA-API自体使えなくなるため商品の検索ができなくなるので注意。
さらに商品情報の更新で24時間に1回再取得しているようなので、登録商品数分のリクエスト回数が消費されますので、回数についても気をつけたほうが良さそうです。
Rinkerでは商品検索の他に24時間に一度、商品の情報を再取得するためAPIを利用しています。
これは商品ごとに行われます。もし100商品を登録をしているとすると、検索回数+100が1日にRinkerから行われるAPI利用回数になります。— やよい@在宅フリーランスPG&ブロガー (@oyayoi19) 2018年12月23日
1.4.2以降より再取得をしない設定が可能になりました。
30日以内にPA-APIの売上が無いまま1/23が過ぎるとAPIが使えなくなる
過去30日以内にPA-API経由の売上実績がない場合はエラーが返されるようになり結果を得ることができなくなります。
また気をつけたいのが1日の上限に達した場合もエラーが返されるようになるので注意。エラーになった場合、新たに商品を検索できなくなります。
PA-API経由の売上がなくPA-APIの使用停止になった場合でも、既にあるPA-API商品リンクから売上があがると再度利用ができるようになります。
最後に
今回はAmazon Product Advertising API (PA-API) の登録方法・注意点についてまとめてみました。
約3年前に初めて登録してからこれまで何度か仕様変更がありましたが、今回のはかなり厳しい変更じゃないかなと思います。それだけ利用者(回数)は増えているけど、売上が見合ってないのかもしれません。
なお、公式プラグインである Amazon Associates Link Builderは影響無いとのことなので、ひょっとしたらこちらを使わせたいのかもしれませんね。
Rinker(リンカー)を使用していて、もしも経由のAmazonを使っているという方は切り替えたほうが良さそうです。